新規花粉症治療薬(注射薬)ゾレアの適応について

今シーズンより重症花粉症患者様に対しての新規注射治療薬 ゾレア(オマリズマブ)が使用できるようになりました。
TV等で放送され、問い合わせも多くなったため、ゾレアの適応について簡単にご説明いたします。

⓵ 今回承認の注射薬は、以前から少数の診療所等で行われていますステロイド注射(ケナコルト注射)とは全く性質が異なります。
  ステロイド注射については耳鼻咽喉科学会では副作用の観点から推奨はされておらず当院では行っておりません。
  新規注射薬(ゾレア)は適応あれば当院で投与可能です。

⓶ 新規注射治療薬ゾレアは、適応が12歳以上の重症花粉症患者様で、かつ今までの内服治療、点鼻治療などを行っても重症のまま改善がみられない方に限られます。
  そのため新規に受診され、受診当日の投与(注射)を希望されてもすぐに投与することはできません。

➂ 注射薬の投与量は患者様の体重と、総IgE抗体の量によって決定されるため、採血を行いIgE抗体の量を調べる必要があります。

➃ スギ花粉症飛散期に2週毎もしくは4週毎の投与が必要です。 

➄ 投与量によって診療費が異なりますが1回投与あたりおおむね 9000円~50000円以上(保険適応 投与量によって診療費が異なります。3割負担での換算額です。)と高額です。

➅ 注射のみの治療ではなく、引き続いて内服治療、点鼻治療などは継続となります。

大まかな説明は以上となります。ゾレアの効果は高いとは考えられますが、高額なことと、適応患者様が限られるため、希望されても投与できないケースもございます。
ご了承いただければ幸いです。ご希望の方は受診時にご相談ください。